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【「気持ちがいいな」っておもえるとき、シャッターが押せればいいな。】No.3

  ぶらりインタ表紙

  写真家のノリコさんが沖縄に来た今から6年前。

  偶然、オキナワン・ロックスターのカッチャンに出逢い、

  それからシャッターを押し続けました。今年の2月には、

  アカラ3階のダイニングカフェ「ジャノス」で写真の展示会とカッチャンの

  ライブも敢行。話題を呼びました。忙しいさなか、ノリコさんに

  「異星人」ともおもえるカッチャンの写真のあのことこのことを、

  おしゃべりしてもらいました。

                     (インタビュアー:當山忠)

                   ノリコさんのプロフィールなどのことは、

                       http://www.norico-ph.com/まで。

 

4 関係性がなくなるときの写真。

 當山 写真って、写しているようで写されているようで、

    ほんと不思議な世界なんですね。

ノリコ ふふっ。ほんとですね。

    今回ジャノスに展示したステージの写真は

    カッチャンと出会ってから半年間位の写真がほとんどです。

    カッチャンが体力的に衰え始めてからのステージ写真は、

    私もいろんな感情が入ってきて、

    写真だけに集中できなくなっていた事もあるかもしれません。

    あと「撮ってやろう」と思った瞬間に

    何かに捕われちゃったんだと思います。

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 當山  「撮ってやろう」をどういうふうに、

    克服していったんですか。

    つまり「関係性」がなくなるときって、

    どういうときなんでしょうか。

ノリコ たとえば、心がフッとなった時が結構最近あるんですね。

     あの雪が降っている写真がありますでしょ。

     今年の1月にカッチャンが東京に遊びに来た時の写真なんですが、

     あの時はカッチャンがヨロヨロしてようが、ハゲていようが、

     怒っていようが、好きにしてって感じで撮ったんです。

     時間も含め自分がズーッとひいて写真を撮ることができたんです。

     物が見れるようになってきたんですね。ほんとに楽でした。

     これまでの写真は集中し過ぎていたとおもいます。

     これから撮る写真はもっともっと「引いた」ものになるでしょう。

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  當山 ふむ、ふむ。

 

     5 「気持ちがいいな」っておもえるとき。

ノリコ カッチャンがよく言うのが

     「小さい世界に集中し過ぎるんじゃなく、

    今いるところから自分がずーっと上って宇宙まで行って、

    そして上から俯瞰して物事を引いてみた時、

    心を研ぎすましていれば

    隙間が見える瞬間が必ずあるから、

    それが見えた瞬間に、そこに全エネルギーを

    むけて前へ進め!!」ってことです。

 當山 宇宙からですか…。

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ノリコ そう、宇宙です。

    カッチャンは、常に鏡をそこらじゅうに置きなさいと

     「キッチンで料理しててもパソコンをしていても

     鏡を前において自分が見えるよう。

     離れたところから自分を見て。

     自分を見る側においてみて」と言うんですね。

     私もそのことを、まだはっきりとは分かっていないのですが、

     カッチャンのように「自分を見る側におく」ことが

     できたらすごいでしょうね。

     そんなことをカッチャンに何度も言われました。

     最近やっと、その「ひく」って意味が分かってきたような気がします。

 當山 「ひく」っていうのは?

ノリコ たとえば、カッチャンのステージを見てておもうのですが、

     カッチャン自身がものすごいステージをしていても、

     カウンターの中でこれまで何をやっていたかを

     全部覚えていたりするんです。

     常に向こう側から見ている自分がもう一人いる。

     頭の中でそれができている。距離をおいて自分を見ているんです。

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 當山 はい、そうですか。なるほど。

ノリコ 以前にライブの写真を撮っていて、

     いいライブの写真がぜんぜん撮れないものですから、

     作り込んだ演出をする写真を撮ってみようとカッチャンに

    イメージを伝えてロケーションを作って

    撮っていたころもありました。

    そのあとに何もしないで「引いて」撮るのが

    一番いいのかなっておもいました。

    そのときその人そのものが写るのかなっていうことですね。

    カッチャンを撮り始めてこの6年、

    自分の写真はいろいろな変化の時期がありました。

 當山 向こう側から自分を見るって、どんな感じなんでしょう?

    写真を撮るときのひらめきと関係するんでしょうか?

ノリコ 私にもどうもわかりません。

    ただ、なるべく欲を出さないようにしています。

    受ける側にまわるようにするんですね。

    レンズの向こう側からは、いっぱいいろんな信号が

    送られてくるので、天気でもそうなんですが、

    受ける側にいつもいて「気持ちがいいな」って

    おもえるときでしょうか。

    自分が発動できるような気持ちの状態を

    持っているときがポイントなんでしょうね。

    狙って行かずに、今は距離を保っていくのが

    いいのかなって実感しています。

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 當山  「気持ちがいいな」っておもえるときって、

    いろんなことをするときにつながりそうですね。

    きょうは、どうもありがとうございました。

    とても勉強になりました。

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N23

 

 これでこの連載は終りです。イラストは上原武也、新里公太、親川奈美子、比嘉初美、奥間明子のプロジェクトコアのスタッフです。ノリコさんが写っている写真は奥間明子でした。